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2.Numpyによるファイル読込・出力

Numpyでcsvやtsvファイル(構造化されたテキストファイル)の読み込み・出力は可能ですが、データの並びが矩形(行/列)であることが条件のようです。 Numpyではファイル読込・出力コマンドに以下を用います。
  1. loadtxt:
    ファイル読込用。
    データ内に欠損(空白)があるとエラーになります

  2. genfromtxt:
    ファイル読込用。
    データ欠損部は指定値で埋められます。

  3. savetxt:
    ファイル保存用。

本章では、csvファイルsample2.csvを読み込む場合を例として説明します。
図2-1 sample2.csv
図2-1 sample2.csv

2.1.数値データのみを扱う場合

まずはサンプルコードを示します。

read_file2_1.py

import numpy as np

getFN='sample2.csv'
readData=np.genfromtxt(getFN,delimiter=',',skip_header=1,usecols=(0,1,5))

print (readData)
ファイル読み込みには“genfromtxt”を使っています。Numpy Manualを見ると、genfromtxtには非常にたくさんの引数が準備されていますが、ここでは次の4つを用います。
引数 指定方法
読込ファイル名
(変数“getFN”)
実行ディレクトリにそのファイルがある場合はファイル名のみか、./ファイル名を指定します。 別のディレクトリにファイルがある場合は、絶対パス、相対パスのどちらでも構いません。
delimiter delimiterはデータ分割に使用する記号を指定します。
csvはカンマ(,)区切りなのでdelimiter=','と指定します。 タブ区切りの場合はdelimiter='\t'と指定します。
skip_header ヘッダーとして扱い、データ取得時に先頭行からSkipする行数を指定します。
usecols 抽出する列を指定できます。列番号は0から開始します。
サンプルコードの場合、1,2,6列目のデータを取得することになります。 また、連番で指定する場合はusecols=(range(1,3))とします。
サンプルコードを実行すると以下のように表示されます。
[[  3.00000000e-03  -3.70000000e-02   2.82000000e+02]
[  3.00000000e-03  -3.60000000e-02   2.81000000e+02]
[  3.00000000e-03  -3.60000000e-02   2.81000000e+02]
[  3.00000000e-03  -3.50000000e-02   2.77000000e+02]
[  3.00000000e-03  -3.40000000e-02   2.75000000e+02]

2.2.テキストデータを扱う場合

sample2.csvは一行目が文字列(ヘッダ部)、二行目以降が数値データになっていますが、この節では二行目以降も文字列である、として扱います。
まずはサンプルコードを示します。

read_file2_2.py

import numpy as np

getFN='sample2.csv'
readData=np.genfromtxt(getFN,delimiter=',',dtype='U')

print (readData)
今回は文字列部の一行目(ヘッダ部分)も取得しますので、2.1節と異なる指定部分は“dtype”が追加されたことと、“skip_header”がなくなったことです。
引数 指定方法
dtype データ型を指定します。
文字列として取得する場合は'U'(Unicode string)を指定します。 その他、'f'は浮動小数点型、'c'は複素数の浮動小数点型になります。 指定省略時は'f'が適用されます。 dtype=Noneを指定すると、データ列ごとにNumpy側が勝手に型を指定します。 データ型の詳細はNumpy Manualを参照ください。

サンプルコードを実行すると以下のように表示されます。 数値データとは異なり、各要素が''でくくられて出力されます。
[['X1' 'X2' 'X3' 'X4' 'X5' 'X6' 'X7' 'X8']
['3.00E-03' '-3.70E-02' '1.30E+00' '-1.70E+01' '1.54E-04' '2.82E+02'
'1.90E-03' '3.00E+02']
['3.00E-03' '-3.60E-02' '1.00E-01' '-1.70E+01' '1.42E-04' '2.81E+02'
'2.40E-03' '3.00E+02']
['3.00E-03' '-3.60E-02' '1.20E-01' '-1.70E+01' '1.48E-04' '2.81E+02'
'1.70E-02' '3.00E+02']

2.3.数値とテキストデータを扱う場合

今回は文字列部の一行目(ヘッダ部分)を文字列として、二行目以降を数値として取得することを目指します。 まずは2.1節の方法でデータを取得してみます。
import numpy as np

getFN='sample2.csv'
readData=np.genfromtxt(getFN,delimiter=',')

print (readData)
すると、一行目のデータが“nan”で表示され、一行目の文字列を取得できません。
[[             nan              nan              nan              nan
   nan              nan              nan              nan]
[  3.00000003e-03  -3.70000005e-02   1.29999995e+00  -1.70000000e+01
1.53999994e-04   2.82000000e+02   1.90000003e-03   3.00000000e+02]
[  3.00000003e-03  -3.59999985e-02   1.00000001e-01  -1.70000000e+01
1.42000004e-04   2.81000000e+02   2.40000011e-03   3.00000000e+02]
[  3.00000003e-03  -3.59999985e-02   1.19999997e-01  -1.70000000e+01
1.48000006e-04   2.81000000e+02   1.70000009e-02   3.00000000e+02]
numpyは列ごとの型指定はできますが行ごとはできません。
そこで、いったん文字列としてデータを取得し(2.2節の方法)、ヘッダ部と数値部を別々の配列にあてがいます。 その後、数値部分だけを型変更する手順でデータ取得を行います。
手順に合わせたサンプルコードを示します。

read_file2_3.py

import numpy as np

#文字列としてデータ取得
getFN='sample2.csv'
readData=np.genfromtxt(getFN,delimiter=',',dtype='U')

#title行だけ抜き出す
title=readData[0]

#title行を削除
readData=np.delete(readData,0,0)

#数値部をfloat型に変更
readData=readData.astype('f')

print (title)
print (readData)

参考文献

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