化学反応計算の決まり事
化学反応計算での決まり事。
(1)標準状態
- SATP:圧力 = 100[kPa]、温度 = 25[℃]
- NTP:圧力 = 101.3[kPa]、温度 = 0[℃]
比熱、エンタルピー、エントロピー等の計算は、SATP基準とするものが多い。
(2)標準反応エンタルピー:ΔrH°
反応物(化学式の左側)と生成物(化学式の右側)がすべて標準状態にあるとき、化学反応によって生じるエンタルピー変化。
Δrのrはreaction。
(3)標準生成エンタルピー:ΔfH°
分子を構成する安定した元素の単体から、その分子1モルを生成させるのに必要な標準反応エンタルピー
Δfのfはformation。
(4)記号の意味
- Δ:変化量
- r:reaction(反応)
- f:formation(生成)
- c:combustion(燃焼)
- °:標準状態(主にSATP)あるいは圧力1bar(105[kPa])であることの明示
(5)発熱反応と吸熱反応
化学変化が生じたとき、エネルギーを発する反応を発熱反応、エネルギーを吸収する反応を吸熱反応。
化学反応のエンタルピー変化は、生成物の全エンタルピーH
proから反応物の全エンタルピーH
reactを差し引いたもの。
ΔrH = Hpro - Hreact
この場合、反応エンタルピーによって発熱か吸熱かは区別がつく。
- 発熱反応:ΔrH < 0(生成するのにエネルギーが余る)
- 吸熱反応:ΔrH > 0(生成するのにエネルギーが必要)
(6)ΔrS°、ΔrG°
- ΔrS°:標準反応エントロピー
- ΔrG°:標準反応ギブスエネルギー
\[
\Delta_{r}G^{\circ}
=
\Delta_{r}H^{\circ} - T \Delta_{r}S^{\circ}
\]
(7)化学平衡定数:K
\[
\ln K_p(T)
=
-\frac{ \Delta_r G^{ \circ } }{ RT }
\]
平衡定数は温度の関数。
コラムページトップへ