コラム

曲面の接平面の求め方

作成日:20200215  テーマ1:科学  テーマ2:数学  テーマ3:

曲面の法線ベクトルと接平面は簡単に求めることができます。
三次元空間上の任意の曲面はf(x,y,z)=0で表せます。 今、この曲面f上の近接する2点A:(xo,yo,zo)とB:(xo+dx,yo+dy,zo+dz)に着目します。
\[ \begin{eqnarray} & f & (x_o, y_o, z_o) = 0 \\ & f & (x_o + dx, y_o +dy , z_o +dz ) = 0 \end{eqnarray} \tag{1} \]
図1

点Bは点Aの近接点なのでdx, dy, dzは微小値であり、(1)下の式は点A周りでテイラー展開できます。
\[ \begin{eqnarray} f(x_o + dx, y_o +dy , z_o +dz ) & = & f(x_o, y_o, z_o) + \left. \frac{\partial f}{\partial x} \right|_o dx + \left. \frac{\partial f}{\partial y} \right|_o dy + \left. \frac{\partial f}{\partial z} \right|_o dz +O ( \Delta^2 ) \\ & = & \left. \frac{\partial f}{\partial x} \right|_o dx + \left. \frac{\partial f}{\partial y} \right|_o dy + \left. \frac{\partial f}{\partial z} \right|_o dz +O ( \Delta^2 ) \end{eqnarray} \tag{2} \]
なお、\( \left. \frac{\partial f}{\partial x} \right|_o \)はxoでの偏微分の値を示します。
ここで、新たに次のベクトルを定義します。
\[ \begin{eqnarray} \nabla f = \left( \begin{array}{c} \displaystyle \frac{\partial f}{\partial x} \\ \displaystyle \frac{\partial f}{\partial y} \\ \displaystyle \frac{\partial f}{\partial z} \end{array} \right) , \quad d \boldsymbol{ r } = \left( \begin{array}{c} dx \\ dy \\ dz \end{array} \right) \end{eqnarray} \tag{3} \]
すると、(2)式は\( \nabla f \)とdrの内積を使って表すことができます。
\[ f(x_o + dx, y_o +dy , z_o +dz ) = \nabla f_o d \boldsymbol{ r } + O ( \Delta^2 ) \tag{4} \]
図1

ただし、\(\nabla f_o \)は点Aでの\(\nabla f \)の値を示します。
ここでdrを0に極限まで近づけると、\( O ( \Delta^2 ) \)もまた0に近づき、drは曲面fの接線ベクトルになります。 すると、\( \nabla f_o d \boldsymbol{ r } \)も0に近づくことから、\(\nabla f_o \)は点Aで\(\nabla f \)に直交することになります。 以上のことから
“\(\nabla f \)は曲面fの法線ベクトル”
であることがわかります。

次に曲面fの接平面を求めます。
点(xo,yo,zo)を通る任意の平面は次式で表せます。
\[ A(x-x_o)+B(y-y_o)+C(z-z_o)=0 \tag{5} \]
この平面の法線ベクトルが、先ほどの曲面fの法線ベクトル\(\nabla f_o \)と一致すれば、点(xo,yo,zo)におけるfの接平面であることは明らかです。 従って、
\[ A=\left. \frac{\partial f}{\partial x} \right|_o, B=\left. \frac{\partial f}{\partial y} \right|_o, C=\left. \frac{\partial f}{\partial z} \right|_o \]
であり、接平面は次のようになります。
\[ \left. \frac{\partial f}{\partial x} \right|_o (x-x_o) + \left. \frac{\partial f}{\partial y} \right|_o (y-y_o) + \left. \frac{\partial f}{\partial z} \right|_o C(z-z_o) =0 \tag{6} \]
このように偏微分の計算方法さえ知っていれば、曲面の接平面は非常に簡単に求めることができます。

また、この考えは曲線の接線を求める場合にも使えます。 この場合はzを消すだけで終わりです。
曲線\( f(x,y)=0 \)に対して、点(xo,yo)での接線は
\[ \left. \frac{\partial f}{\partial x} \right|_o (x-x_o) + \left. \frac{\partial f}{\partial y} \right|_o (y-y_o) =0 \]
では具体例を挙げて、接線を求めてみます。
\( y = x^2-5 \)の点\((x_o,y_o)\)での接線を求めます。
\[ f(x,y)=x^2-y-5 \] なので、
\[ \frac{\partial f}{\partial x}=2x , \quad \frac{\partial f}{\partial y}=-1 \]
が得られます。 従って、点\((x_o,y_o)\)での接線は次のようになります。
\[ 2x_o ( x- x_o ) - ( y - y_o ) =0 \tag{*} \]
(1)\( x_o = 0 \)の場合、\( y_o = -5 \)なので、(*)式に代入して
\[ y=-5 \]
図示すると、次のようになります。
図3

(2)\( x_o = 1 \)の場合、\( y_o = -4 \)なので、(*)式に代入して
\[ y=2x-6 \]
図示すると、次のようになります。
図4


コラムページトップへ