微分と積分(微小変化編)
前回のコラムの続きであり、“微分”についての補足説明である。
“微小変化”について掘り下げてみよう。
微分をはじめて習うとき、微分演算子として次の形を教えられる。
\[
\frac{ d }{ dx}
\tag {7}
\]
これだと分子と分母を分割できるようには思えない。
なのに話がどんどん進んでいくと、積分で「\( dx \)を両辺に掛けて」とか、いつのまにか(7)式は割り算なんだ、と言われてしまう。
そんなことをされたら当然混乱する。
ここで微分の意味に立ち返る。
微分はあくまで「ある点における関数の接線の傾き = 変化率」を計算している。
変化率は横軸\( dx \)増えるごとに縦軸\( df \)がどれだけ増えるか?を求めているわけだから、\( df / dx \)は微小変化量同士の割り算であることがわかる。
もういちど前回コラムの(5)式を見返してほしい。
\[
f'(x)
=
\frac{ df(x) }{ dx }
=\displaystyle \lim_{ n \to 0 } \frac{ \Delta f }{ \Delta x }
\tag{5}
\]
微分が割り算であることがわかれば、次の式変形が成り立つのは容易に想像がつくはずである。
\[
df(x)
=
f'(x)dx
\tag{8}
\]
この(8)式は次回コラム掲載予定の“積分”において非常に重要な役割を担うので、今回の内容を知っておいてもらいたい。
なお、本コラムではざっくりとした内容を載せているので、ちゃんとした理解を得たい場合は参考文献に挙げる書籍を読むとよい。
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