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コラム

片付けは数学だ!!

作成日:20130212  テーマ1:生活  テーマ2:整理整頓  テーマ3:数学


全然片付かなくてイライラしてる人ってたくさんいますよね。
それはモノだけでなく、仕事だったり、人間関係だったりと様々なことに当てはまります。
イライラする理由は人によってそれぞれでしょうが、多分次のような理由が多いのではないか?と思います。

(1)自分の環境が快適にならない
	→ 自分の描いたきれいな状態とのギャップが大きい
(2)もったいない病なのか、要らないものが身の回りにあふれてる
	→ 情報過多で頭の中がこんがらがる
(3)臭い、ホコリっぽい、かかわりたくない、などなど
	→ 体調不調になる

イライラを解消する一番の方法は「常に整理整頓をすること」だと思います。
でも、やっぱり面倒くさいし、他にやりたいことはあるし、整理整頓は後回しにしがちです。
私なんか煩悩のかたまりなので、人間そんな理想通りには動けないものです。
また、整理整頓しなければ散らかり方が激しくなり、いざ整理整頓しようと思っても、

・何からやればよいかわからない
・どこへ片づければよいかわからない
・あれも捨てたくないしこれも捨てたくない、と物があふれかえる

悩んでる間に挫折して終わり、結果整理整頓が中途半端で終わってしまう、というのが常でしょう。

ではどうすればよいか?
せめて整理整頓するときは、ストレスなく作業が進められるようになれれば後回しにしても何とかなるのではないでしょうか?

そこで活躍するのが“数学的思考”です。

ただし、片づけ上手になるために「数学を勉強しろ!」と言っているのではありません。
よく数学なんて世の中に役に立たない、と言われるけども、実は身近なところで役に立つ、というのが言いたいだけです。

数学といっても様々な分野があります。
幾何学、行列やベクトル、微分積分、虚数、確率統計などなど、それこそ山のようにありますが、その中で“片づけ”に直結する分野があります。
それが“集合論”です。

集合論をかいつまんで言えば、次のようなものです。

(1)集合によって考察対象を限定する
(2)考察対象を様々な見方から分類し、小集合を作る
(3)小集合間にある関係を明らかにする
(4)大小などの順序づけを行う

これを片付けにあてはめてみましょう。
例えば、部屋の整理整頓の場合。

(1)どの部屋を片付けるか決める
(2)本、服、おもちゃなどなど、を大分類する
(3)本なら参考書、雑誌、小説、など、服なら上着、シャツ、ズボン、靴下など、各大分類を小分類化する
(4)よく使うもので優先順位を決める、あるいは大事なもので優先順位を決める、などの順位付けを行う

または、人間関係の整理整頓の場合。

(1)(言葉は悪いが)友人関係を整理する
(2)小学校、中学校、高校、大学、会社関係などで大分類する
(3)趣味が合う、ただの同級生、などで小分類する
(4)好き嫌い、中の良し悪し、会う頻度などで順序付けする

これって片づけに必要な技術と“集合論”の概念がぴったり一致してると思いません?

さらにもう一つ、片付けに関連する数学分野があります。
それは“位相論”です。
多分位相論は聞きなれないことばだと思います。
これは、ざっくりといえば集合に空間的要素を当てはめたようなものです。
つまり片づけの際、どういったものをどういった場所に片づければよいか?ということとつながるものです。

集合論も位相論も大学で学ぶ、突き詰めると難しい数学ですが、決して身の回りからかけ離れたものではない、ということです。
特に大学の数学なんて実際には役に立たない、なんてことを聞きますが、本当に身近な存在であることがわかると思います。

すでに集合論に当てはまる片付け例を前述しましたが、もう少し詳しく見ていきましょう。

(1)集合によって考察対象を限定する
これは、たとえば
・家全体を片づけたいのか?
・1つの部屋だけを片づけたいのか?
・本棚だけを片づけたいのか?
といった片づけの範囲を決める作業です。

片づけがうまくいかない人は、おそらく片づけの対象が大きすぎるのではないでしょうか?
そのような場合、どこから手を付けたらよいか?いきなり悩んでしまうことになります。
結局、上手く分類分けできず、片づけたとしてもどこに片づけたかわからない、引き出しを開けたらぐちゃぐちゃ、なんてことになってしまいます。
もし「いくら片づけをしてもうまくいかない」という方は、ますは片づける対象を小さくすることをお勧めします。
そして、片付けの成功体験を積み重ねることで、片づけ上手の階段んを駆け上がっていけるようになるはずです。

(2)考察対象を大分類し、各グループごとの検討内容を小さくする
これは例えば、部屋を片付けるとき、部屋の中にあるすべてのものを出してきて、本、おもちゃ、文具、服などといった形で分類をしていきます。
この時注意することは、服を最初から、上着、下着、ズボン、靴下類などと細かく分類しないことです。初めの分類はある程度ざっくりしたレベルで行うのがよいと思います。
そうすることで、テンポよく分類作業が行え、また頭の中も整理がつきやすくなり、結果的に早く片づけ作業が終わるはずです。

(3)各大分類グループごとで、さらに同じような種類で小分類グループを作る
大分類でできた服の中を、ここでようやく上着、下着、ズボン、靴下類など細かく分類します。
そうすることで、なんか最近全然着ていない古臭いデザインのものがあれば捨てればよいし、おいておくにしてもどこか棚の奥にしまうとか、という判断がしやすくなります。

(4)考察対象を様々な見方から分類し、小集合をつくる
こうして小分類まで終わったら、次によく使うもの、たまに使うもの、めったに使わないもの、いらないもので分類してみます。
これはものの見方を変えて、小分類の中をさらに別の角度から分類してみよう、ということです。
こうすることで、本当に片づけが必要となるもの、捨ててしまって今後考察対象としないものが明確になり、さらには、考察範囲を絞ることができます。

(4)まで来れば、あとはどこにどうやって片付けるかは、他の小集合との関連性を考えながら決めればよいことになります。
このとき、その関連性と位置関係を上手く連携できるようにできれば、片付けはかなりスマートに行えます。
そうなれば、片付けに再現性が生まれ、片付けを後回しにしてもどこに何を片付ければよいかが即座にわかる、あるいは習慣化されるので、整理整頓のストレスが少なく手済みます。


以上より、片付け(整理整頓)において最も重要な作業は“分類作業”であることがわかります。
しかも、考えやすいように順を追ってグループを小分類化していきます。
最後にそれぞれのグループ間の関連性を見出し、どこに片づければよいか?その位置関係を決めていくことになります。

このような話の理論は、数学でいう“集合論”と“位相論”そのものです。
おそらくですが、身近な人で整理整頓の上手な人は、数学が得意、という人が多いのではないでしょうか?

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参考文献