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コラム

多様性について

作成日:20190507  テーマ1:仕事  テーマ2:  テーマ3:

企業は本当に“多様性”という言葉を理解しているのだろうか?
疑問が残るような発表がたくさんあります。

一応言葉上は“人材の多様性”という形でうたっていても、例えば国籍の違う人を雇っている、年齢や性別、学歴は気にしない、いろんな働き方を認めているなど、非常に表面的なアピールが多いように思います。

でも企業に必要な多様性とはそんなことではないはずです。
本来必要なのは、各個人の多様な能力、考え方であって、それらをいかに尊重しながら意見集約しているか、あるいは、様々な価値観をどう社会に向けて具現化しているか、それこそが本来企業がアピールしなければならない“多様性への取り組み”だと思います。

そもそも、男女平等の世の中で、あえて女性活躍をうたわなくてはいけない企業はその時点で×でしょう。
また、海外の人や障害者をたくさん雇っているアピールも同じです。
当たり前のことを自分はやってる、と他の人にアピールしたりしますか?
みんな100点取ってるのに、おれ100点とったで、すごいやろ!!って自慢します?
そんなことは恥ずかしくて普通できません。

組織として、どうやって多様な考え方、能力を持つ人たちを集め、それを企業活動にどう活かしているか?
実際考え方の違う人たちが集まれば、意見の衝突や、企業内で不遇な状況に置かれる人がたくさん出てきます。
それにどういう対処、対策をし、企業活動に活かしてているか?をアピールすべきです。

私自身は、多様な考え方を持つ人たちを1つのグループに集めるのが良いとは思いません。
意見が異なる、ということは、人の好き嫌いに直結するからです。
嫌いな人の集まりの中で、個のパフォーマンスをフルに発揮できるとは到底思えません。

それよりはある程度居心地のよいグループをいくつかに分けて作り、それぞれの価値観に基づいてプロジェクトを進め、グループ単位で競い合う、というスタイルをとる方がよいのではないか?と考えています。
ただそのまま仲良しグループで進めてしまうと、思わぬ方向へそれていってしまう可能性があります。
それを防止するために、よくある設計審査のような形で、別のグループからの意見などをもらい、一度自分たちの進め方を客観視できるような仕組みを入れることが必要であろう、と考えます。
当然ながら多様性をうたうあまり、企業風土や理念にそぐわない人を雇い入れるのは間違いです。
根底の考え方、目標は同じ方向を向いていなくてはなりません。
それはグループ活動においても同じです。

ちなみに、個性的な人が集まる会社、として取りざたされている会社ほど、見た目の個性だけで話が広がりがちです。
実際は同じような考え方、行動をとる人ばかりで、中身は金太郎あめだったりします(そういう会社ではだいたいは声が大きく、態度がでかい、つまり目立つ人が多い)。
なぜそんなことが起きるのか?それは表面的な評価でしか物事を判断できないからです。
個性は外見だけでは判断がつきません。

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参考文献