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3.数の種類

数は以下の6種類に大別されます。
自然数、整数、有理数、無理数、実数、複素数

3 .1.自然数(Natural Numbe 集合:N)

下図のように、1、2、3・・・といった個数を表したり、順位を表す数字のことを言います。 数の起源と考えられています。 自然数の最小単位は“1”です。

自然数を表す数直線
図3.1-1 自然数を表す数直線

3.2.整数(Integral Number 集合:Z)

自然数は1より大きな数字でしたが、整数は、0やマイナス(-)も含みます。 整数の最小単位は、自然数同様“1”になります。

整数を表す数直線
図3.2-1 整数を表す数直線

3.3.有理数(Rational Number 集合:Q)

有理数とは、以下のように定義されています。

2つの整数\(m , n \)によって \( \displaystyle \frac{n}{m} \)で表せる数(\(m \neq 0 \)))

つまり、分子、分母ともに整数にできる数、ということです。 ちなみに、自然数、整数とも有理数に含まれます(\( m = 1 \)のときの数)。

3.4.無理数(Irrational Number)

無理数は、有理数ではない数(実際は実数)、として定義されています。 例えば、自然対数e=2.718281…、円周率\( \pi = 3.141526… \)、\( \sqrt{2} =1.41421356… \)などがあります。 無理数であることを示すためには、“有理数ではない”という証明が必要になります。
例として、ここでは\( \sqrt{2} \)が無理数であることを証明します。 今、a、b、cの3つの整数が以下の関係を持つものとします。
\[ c = \frac{a}{b} \]

(ただし、aとbの間に公約数はないものとする)

つまり“cは有理数である”と仮定しています。 すると、c2=2となりますので、上式を両辺二乗すると2b2=a2となります。 この場合、aは偶数になりますので、a=2sとおきます。 すると、2b2=4d2 ⇔ b2=d2 となり、bも偶数になります。 この結果、a、bとも偶数になり、これは前提のa、b間に公約数がない、とする条件に矛盾します。 よって、\( \sqrt{2} \)は無理数である、と言えます。

3.5.実数(Real Number 集合:R)

実数とは、下図の矢印線上にあるすべての数を総括したものです。 つまり(1)自然数~(6)無理数のすべてを含みます。

実数を表す数直線
図3.5-1 実数を表す数直線

3.6 .複素数(Complex Number 集合:C)

複素数は虚数を含む数で、以下のように定義されています。
\[ c = a + b i \]

(a、bは実数)

この表現からわかるように、複素数は実数を包括しています(b=0)。 上記の実数部分(実部)a、虚数部分(虚部)bを以下のように表します。
\[ Re (c) = a , Im (c) = b \]
実数が数直線上で表せるのに対して、複素数は横軸を実部、縦軸を虚部とする平面で表せます。

複素数を表す平面
図3.6-1 複素数を表す平面

複素数を表す平面を、複素平面またはガウス平面と呼びます。 複素数の必要性については2.5項虚数を参照ください。
最後に自然数~複素数の数の関係は以下のようになります。

数の種類に対する集合図
図3.6-2 数の種類に対する集合図

参考文献

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