フーリエ級数展開とは、性質の良く分からない関数を三角関数の和として表す方法です。

さらにフーリエ級数は、三角関数系を拡張して直交関数系にも適用できます。


本サイトでは、三角関数系のフーリエ級数をそのままフーリエ級数と呼び、 直交関数系を含めたフーリエ級数を一般化フーリエ級数と呼ぶことにします。


解説の手順としては、まず最初にフーリエ級数の定義を明らかにし(1~2章)、 その後フーリエ級数展開可能な条件を明らかにしていく(3章)ことで、 フーリエ級数展開を適切に扱えることを目指します。


1.フーリエ級数(三角関数系)

1.1.フーリエ級数の定義

フーリエ級数とは、「区間[a,b](b-a=2L)で与えられた関数f(x)が、 周期2Lの周期関数のとき、その区間においてf(x)を三角級数で表す」ことです。


フーリエ級数展開式

(1.1-1)のf(x)=~をフーリエ級数、an、bnをフーリエ係数と呼びます。

ただし、係数an、bnが決まるためには、“f(x)が積分可能”であることが条件です。


さて、フーリエ級数は三角関数によって構成されるので、以降は簡単のために周期2L=2πとして 計算しても差し支えありません。一般化が必要ならば、最後に以下の変数変換を行えばよいのです。


変数変換式

そこで(1.1-1)式を周期2πの周期関数のフーリエ級数展開に書き直します。


フーリエ級数展開式

以降の説明は(1.1-3)式に基づいて行います。


関数f(x)は、もともと三角関数の重ね合わせとは違う表記を持っています(例えばf(x)=x(-π≦x≦π)等)。 つまり、フーリエ級数展開可能ということは、関数f(x)が二通りの式で表現できる(あるいはそれ以上) ことを意味します。

同一関数を二通りで表現するということは、それぞれの表現同士がお互いに収束しなければなりません。 収束しない場合は、それぞれの表現において関数の性質が変わってしまい、同一関数を表すとは言えなくなります。

したがって、“フーリエ級数は関数f(x)に収束する”ことが重要になります。


ところで本項では、(1.1-3)式によってフーリエ級数の表現方法を示しただけです。 そのため、この級数展開の妥当性を検証する必要があります。 それは、前述の通り「フーリエ級数が関数f(x)にどのような条件で収束するか?」です。 この条件を知ることが、フーリエ級数を適切に行うために重要となります。


1項では、フーリエ級数の表現方法を解説するのみにとどめておき、フーリエ級数の収束性については3項で詳しく説明します。


1.2.フーリエ係数の算出

(1.1-3)で表すフーリエ係数は、次のようにして求めることができます。


(1)anの算出

(1.1-3)f(X)式の両辺にcos(mX)を掛けます。


フーリエ係数を求める

これを両辺-π≦x≦πで定積分します。


フーリエ係数を求める

上式右辺の各項を個別に計算します(ここでは三角関数の直交性を用います)。

<右辺第一項>


フーリエ係数を求める

<右辺第二項+第三項>


フーリエ係数を求める

よって、(1.2-1)式は(1.1-3)an式と一致します。


(2)bnの算出

(1.1-3)f(X)式の両辺にsin(mX)を掛けます。

あとは(1)と同じように、三角関数の直交性を利用して計算すると以下の式が出てきます。


以上がフーリエ係数の求め方になります。

ただし、この計算は1.1項で述べたとおり、f(X)が積分可能であることが前提となります。


1.3.複素フーリエ級数

(1.1-3)式を複素形式とすることで、表示や計算の簡略化が可能となる場合があります。 本項では(1.1-3)式を複素形式にする方法について説明します。


フーリエ級数の複素形式については、オイラーの公式を元に書き直すことができます。

下記にオイラーの公式を記します。


オイラーの公式

このとき、余弦成分と正弦成分は次のように表せます。


三角関数(オイラーの公式の変形)

これを(1.1-3)f(x)式に代入すると、


フーリエ級数の書き換え

ここで、右辺の各係数を次のように設定します。


フーリエ係数の複素形式定義

すると、(1.3-2)式は次のような簡単な式になります。

フーリエ級数の複素形式定義

また、cnは次のように表せます。


フーリエ係数を求める式

まとめると次のようになります。


フーリエ級数の複素形式定義

(1.1-3)の複素形式は、(1.3-4)と導き出せました。(1.3-4)のf(X)=~を複素フーリエ級数、 (1.3-4)のcnを複素フーリエ係数と言います。

最後に、f(X)、cnを変数変換X→xして、任意の周期に対する関数として表示します。


フーリエ級数の複素形式定義

ここで、f(X)が実関数の場合を考えてみます。

このときの(1.3-2)式右辺の各係数について検証します。

まず余弦成分の係数cnは(1.3-3)式で表せます。


フーリエ級数の複素形式定義

そこで、(1.1-3)のanとbnについて、n<0のときを考えます。


フーリエ級数の複素形式定義

余弦成分の係数anは偶関数、正弦成分の係数bnは奇関数となりますので、 c-nは次のとおり、cnの複素共役になります。


フーリエ級数の複素形式定義

またn=0のとき、a0、b0は次のように表せます。


フーリエ級数の複素形式定義

以上の結果から、実関数の複素フーリエ係数はn≧0のみを計算すればよいことがわかります。 n<0の係数については(1.3-6)式からn>0の係数の複素共役から求めることができます。


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